おだかって知ってますか。
昨日の夜、yukioくんが自習室に訪れました。
yukioくんはオープンしてまもない頃から時々来てくれる常連さんです。
彼は窓際の席で、絵を描いたり、家に帰る前に静かな時間を過ごしにここに来てくれています。
受付で何度か軽い会話を交わすうちに
彼が福島県の小高という町の出身ということを知りました。
小高は南相馬市にある小さな町だそうです。
私は、南相馬は聞いたことがあるけど、「小高」というのは聞いたことがありませんでした。
実は、小高という町は、東日本大震災で避難指示が出され全町民が避難し
一時、住民がゼロになってしまったのです。
2016年の夏に避難解除が出されて以来、少しずつ息を吹き返し、
現在は居住率50%を超えて、町の復興も徐々に進んでいるということです。
yukioくんの実家は雑貨屋のようなお店をしていたそうですが
震災によって、1階のお店部分はぺっちゃんこになって
家にいたおばあさんとお母さんがあわや下敷きになりそうになったそうです。
yukioくんは今年の夏に久しぶりに実家に帰って
その荒れ果てた自宅の敷地を見て、そして、住む人のいなくなった家で寝袋で寝たそうです。
彼が昨日持ってきてくれたのが
小高町で進行中のプロジェクト「群青小高」のポスターです。
開催は、19日、20日ともう明日に迫っていますが
プロジェクトの様子はインスタグラムで配信されています。
https://www.instagram.com/gunjo_odaka/
小高町では、2021年から、全国で活躍されているアーティストの方に
何日間か町に滞在してもらって、小高の風景、街並み、人たちとのふれあいを通して
感じたままに小高を表現してもらおうというプロジェクトが進んでいます。
ほかの地域から訪れるからこそ、見えるよさ、感じることがあるのだと思います。
そして、そのアーティストの皆さんが、自分なりの表現の仕方で、作品を発表して帰っていきます。
今回のご案内は、現代美術作家の田中 永峰 良佑さんの発表会です。
19日(水)〜20日(木)
13時〜17時(20日は16時まで)
場所:①双葉屋旅館 ②アオスバシ
小高出身の半谷清寿氏がかつてこの地域にたくさんの桜を植えたということに興味を持ち
それから町の人にお話を聞いたり美しい景色を見る中で
木を植えること、残っていくもの、あるいは変わっていくものに
映像制作などを通して想いを馳せ、考えています。アーティストの視点でみた小高をぜひ体感してください。
群青小高プロジェクトのホームページはこちら
https://air-minamisoma.jp/
そのほか、小高の情報です。
SUUMOジャーナル
https://suumo.jp/journal/2021/01/25/177724/
ソトコト
https://sotokoto-online.jp/local/12522
仙台の街中にいると、震災の傷跡も感じなくなっていますが
まだまだ、復興半ばという町もあるのですね。
新しいカタチで、新しい視点で
震災を忘れず、復興に向き合えるといいですね。